1992年と1993年の加藤・河野談話

吉見文書の暴露を受けて日本政府は1991年から1993年にかけて独自の調査を行った。その調査の結果として1992年と1993年の2回官房長官が談話を発表した。最初の談話は加藤紘一官房長官が1992年7月6日に発表したもので、主なポイントは以下の通りである。

  • 「政府は再びいわゆる『戦時慰安婦』といわれる言葉にしがたい苦しみを受けたすべての人々に、国籍や出生地を問わず、誠実な謝罪とお悔やみを表明したい。」

河野洋平官房長官は1993年8月4日に政府の談話を発表した。その主要なポイントは以下の通りである。

  • 「非常に多くの慰安婦」が実在した。
  • 慰安所の運営は当時の軍の要求に応えたものであり」「軍は慰安所の設立と運営および慰安婦の移送に直接的、間接的に関与した。」
  • 慰安婦の採用は軍の意向を受けた民間業者が主に行った。」
  • 慰安婦は「多くの場合甘言や脅迫などによって意思に反して採用された、そして軍または政府の人間が採用に直接関与することがあった。」
  • 日本「政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。」