下院決議案

第二次世界大戦以前および大戦中の日本軍の「慰安婦」についての歴史問題が日本政府と米国下院の間で議論となっている。この問題は日本、米国、その他数カ国の間のメディアで関心を引きつつある。慰安婦問題は1990年代から関心を集めつつある。現在、日本政府と米国下院との衝突を起こしているのは2006年と2007年に下院に出された二つの決議案と日本政府のその決議案への反応が原因となっている。

H.Res.759.

最初の決議案は2006年9月13日に上院外交委員会に提出された H.Res.759である。この決議案は全議会で投票にかけられることなく2006年11月に継続審議になった。この決議案の主な条項は以下のようになっている。

  • 「1930年代および第二次世界大戦の間、若い女性を性奴隷(一般には「慰安婦」と呼ばれる)にした責任を日本政府は公式に認めるべきである」という意見を表明する。
  • 日本政府は「性奴隷」にする目的で慰安婦を「組織的に誘拐、隷属」させた。
  • 慰安婦は家庭から誘拐されたか、または嘘の勧誘によって性奴隷にされた」
  • 日本政府の慰安婦制度は慰安婦に対して「人道に反する数え切れない犯罪」という苦痛をもたらした。
  • 歴史家は20万人もの女性が「性奴隷にされた」と結論付けた。
  • 日本の歴史教科書の中の慰安婦制度に関する記述を縮小または削除しようと日本政府は努力してきた。
  • 日本政府は「この人道に反する恐ろしい罪」を現在および将来の世代に教育するべきであり、慰安婦への支配と隷属はなかったという主張を公式に否定するべきである。

H.Res.121.

2つ目の決議案は2007年1月31日に提出された H.Res.121であり、現在も下院外務委員会において議論されている。この決議案は下院において75人が発起人となっている。主な条項は以下の通りである。

  • 1930年代および第二次世界大戦の間「日本帝国軍が若い女性を強制的に性奴隷にした歴史的責任を日本政府は明白で疑う余地のない方法によって承認し、謝罪するべきである。」
  • 日本政府は「帝国軍への性行為という唯一の目的のために若い女性を職務として連行した。」
  • 「日本政府による強制軍売春という『慰安婦制度』」は「残忍さという点で前例のないもの」と認識されており、また「20世紀における最大の人身売買の一つ」である。
  • 「日本政府は慰安婦だった人々が受けた深刻な苦しみに対して誠実な謝罪とお悔やみを表明する」という内容を「日本の官僚」は希釈または撤回しようとしている。
  • 日本政府が支援したアジア女性基金は1995年以来慰安婦に対する「贖罪として」の支払いを委託されており、その額は570万ドルに達する。
  • 慰安婦制度は存在しなかったという主張を公式に否定するべきである。
  • 日本政府は「『慰安婦問題』に関して国際社会の勧告に従い」現在および将来の世代に対して慰安婦制度について教育するべきである。