はじめに

この報告書は多くの観点から慰安婦問題についての議論を試みる。この慰安婦問題は米国側と日本側の2つの施策に関する議論から始まった。この2つの施策はそれぞれ日本政府と米国下院の間の論争を引き起こしていた。米国側の施策としては日本の慰安婦問題を批判した2006年の上院外交委員会における決議案と2007年の下院外務委員会における決議案があり、日本側の施策としては慰安婦制度に対する日本軍の監督を認め、謝罪した1993年に出された宣言(河野談話)を改正しようとする日本政府の特別委員会による動きがある。この報告書は2007年3月1日以降に出された安倍晋三内閣の慰安婦問題に関する数多くの声明を秩序立てて要約しようと試みるものである。この報告書は慰安婦制度に対する日本政府と軍の関与を示す証拠と具体的な関与の仕方について記述する。その次に1990年以降慰安婦問題に関して言及した日本政府の過去の記録を示し、それに対する元慰安婦と彼女らが属する政府の反応を述べる。他の論点としては日本の歴史教科書における慰安婦問題および日本と米国裁判所における慰安婦訴訟について扱う。最後に2007年以前の日本の政策と河野談話を修正しようとする動きと2007年3月1日以降の安倍首相の発言、以上3点の信頼性について評価する。